アジア特許情報研究会設立10周年記念誌=ご挨拶=

去る2018年11月29、30日の両日に、当研究会の設立10周年を記念して、東京都新宿区立新宿文化センター小ホールにて、講演会を開催いたしました。日頃からお世話になっている方々を含め多くの方にお越しいただきました。本当にありがとうございました。

当研究会代表の伊藤よりご挨拶

アジア特許情報研究会は2008年4月に設立されました。

たった10年前のことですが、商用英語データベースの中国、台湾、韓国など東アジアの特許情報の収録がまだ不充分な時代でした。中国や韓国の商用英語データベースに公開特許は収録されていましたが、登録情報が追加されたのは2010年以降です。台湾情報などはユーザーも少ないせいかASEANなどと同様、収録はずいぶん遅れました。現在でも台湾やASEANの情報を英語で収録しているデータベースも多くはありません。

そのような状況の中、特に新興国については各社とも手探りで情報を収集していました。欧米特許調査やその研究は従前から存在する多くの研究会で活発に行われていましたが、アジアや新興国の知財情報研究は、数年に1度ぐらいの頻度で研究テーマとして取り上げられる程度でした。

そこで、知財制度や法律情報には疎い知財調査担当者が集まって、当初は東アジアの、そしてASEANをはじめとする新興国のデータベースに特化した研究が始まりました。アジア特許情報研究会では以下の3つのポリシーの下、研究を続けています。

①他の研究会では実施していない「新規性・進歩性ある研究」をすること。

どの研究会でもあちこちで最新の話題を取り上げて重複した研究が行われがちです。もちろん、最新情報のスキルをいち早く身につける、という点では歓迎できますが、ふたを開けてみるとどこも似たような研究成果ということもあります。各研究会とも研究成果は公表されませんので「重複研究」に気づくのは2,3年後です。

②活動(ワーキング)内容は、外部発表(学会、論文等)することを原則とする。

研究内容は特許・論文と同様、先行技術があればそれを参照し、また、本研究会での内容を公表することで他の研究会でさらにステップアップした研究をしていただけます。

③プレゼンすることもスキルの1つとして未経験者優先で発表していただく。

当会のメンバーは調査において優秀なスキルを持ちながら、社内はもちろん社外でプレゼンする機会の少ない方も多いのが実情です(特に調査担当者)。プレゼン経験を積むことで、上司や同僚を如何に説得するかのスキルも身につけていただけます。

多くの知財情報研究会ではすばらしい研究がなされており、「へぇ~、そうなんだ」と感心されられることも多くあります。互いに研究内容を公表して切磋琢磨し、知財情報の研究が進められることを期待します。

講演会資料

下記リンク先からダウンロードいただけます。

第1部:講演資料

第2部:知財関係者からの寄稿

第3部:研究会メンバー2018年ワーキング資料

第4部:国内外の知財情報研究会紹介

おわりに

10周年記念講演会を無事終了することができました。
ご講演いただきました講師の皆様には講師料および交通費等の諸経費もお支払いできず恐縮です。特に、国内では大阪や長野、国外ではタイからお越しいただいたにも拘わらず申し訳ありません。
貴重な講演を充分に聴講できず、運営を担当していただきました研究会メンバーにも感謝です。特に、運営スタッフが不足し、過去のメンバー(OB)にもボランティアでお願いしました。
おかげで聴講料無料、という形で多くの知財関係者に最新情報をお届けできたものと思います。
これを1つの区切りとして、たゆまぬ探求心を持ち、知財情報の研究に励みたいと思います。